コラム Column

選択理論を探求する 家庭やビジネスなど、様々な分野での選択理論の活用を探ります

どうしても離婚を考えてしまうときには

家庭 2015/05/07

互いを愛し合い、尊重し合う結婚生活は、
何にも代えがたい幸福感を私たちに与えてくれるものです。
しかし、現在では3組に1組程度の夫婦が離婚しているデータがあるように
結婚生活を生涯続けていくことに難しさを感じている夫婦も少なくないようです。

  

他者とより良い人間関係を築くのに効果的だと言われ、
夫婦関係を改善するためのカウンセリング手法としても活用されているリアリティセラピー。
カウンセリングの名手であるウィリアムグラッサー博士は、
愛とは「希望と恐れを分かち合う、しかも喜んで分かち合う気持ちのこと」だと定義しています。

 

博士は、愛の冷めつつある夫婦に対して、
どのようにお互いを愛する気持ちを復活させるのでしょうか?
博士は、離婚を考えるまでに関係が悪化した夫婦に対してカウンセリングをする際に、
「本当に夫婦関係を改善しようとしているのか」を
はっきりさせる質問を最初に投げかけるといいます。
本当に改善しようという気持ちがない場合はどうしようもなく、
既に離婚の決意を固めているにも関わらず、
「自分は改善しようと頑張った(ので、自分は悪くない)」と
言いたいだけのケースもあるかもしれません。

  

次に、「その結婚生活の何が問題なのか」と投げかけます。
この質問を投げかけた時には、“妻の金銭感覚についていけない…”といった声や、
“自分と子どもに対して関心を示してくれない…”
とパートナーを責める声があがってくることが多くあります。
問題を抱える夫婦は、
多くの場合「相手が悪い、相手が変わればこの結婚は良くなる」と考えているのです。
博士は、夫婦から話を引き出しながら、
誰の行動をコントロールできるかを二人に考えてもらいます。
すると、二人は自分の行動しか変えられないことに気付き始めます。
離婚をすると決めたわけではなく、結婚生活を続けたいと思っており、
かつ、自分の行動しか変えられないことに気付くと、
結婚生活は良い方向に向かう可能性が高まります。

  

そして最後に、結婚生活を改善するために自分にできることをそれぞれに挙げてもらいます。
ここでは、「相手どうこうではなく、自分ができること」に焦点を絞って
「この1週間だけやること」を考えることが大切です。

  

夫婦関係がうまくいかず意見の不一致が続くときは、
つい相手を責めたくなる気持ちが大きくなることもあるかと思います。
そうした状況の中にあっても、ぜひ一度立ち止まり、
自分にできる小さなことに焦点を当てて考えてみると少しずつ変化が起こるかもしれません。

 

 

*『グラッサー博士の選択理論 - 幸せな人間関係を築くために-』「第8章 幸せな結婚生活」参照

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