「win-winな欲求充足を選択する」リアリティセラピー研究会報告

リアリティセラピー研究会「win-winな欲求充足を選択する」のページです。選択理論は結婚・恋愛、家庭、ビジネス、学校…あらゆる人間関係を良くするための心理学です。

win-winな欲求充足を選択する

東京中央支部
リアリティセラピー研究会

私たちが社会生活を送る上で、人間関係は非常に重要なものとなります。
社会の中では他者とのコミュニケーションを断ち切ることはなかなかできないからです。

しかし、他者とコミュニケーションを取る中で、
思うことを遠慮なく伝えることができれば良いのですが、
ついつい自分を犠牲にして相手に合わせてしまい、
あとから後悔してしまうことはありませんか?

「一体どうしたら自己犠牲の生き方から解放されるのだろうか」

今回は、そんなお悩みを解消すべく、
自分も勝つ、相手も勝つ、「win-winの関係」の築き方を、
選択理論を用いて紐解いていきます。

 

■「win-winの関係」とは?
win-winの関係を一言で言うと、
「自分にとっても、相手にとってもいい関係」のことです。

例えば、「まいごのまめのつる」という絵本の例を見てみましょう。

野菜づくりは上手だけれど料理づくりは苦手なマグばあさんと、
料理づくりは得意だけど野菜づくりは苦手なメグばあさんがいます。

二人は、お互いが恨めしくて、いつもにらめっこをしていました。

しかし、ある日、豆をめぐって和解するのです。

野菜づくりの得意なマグばあさんの豆を使って、
料理が得意なメグばあさんが美味しい豆のスープ作り、
二人で美味しく食べる。

そんな結末を迎える絵本の例ですが、
これはまさに「win-winの関係」と言えるのではないでしょうか?

 


■選択理論でいう「win-winの関係」とは?

選択理論で「win-winの関係」を説明すると、
「他人の欲求充足を妨げずに、自分の欲求を充足すること」と、
グラッサー博士が定義されている、責任の概念に生きることがまずは大切です。

win-winの概念とは、責任の概念に加えて、
お互いに5つの基本的欲求を満たし合う関わりが
出来ている関係だといえます。

二人のおばあさんの例で見ると、美味しい豆をつくることで、
マグばあさんの美味しい野菜をつくりたいという力の欲求が満たされ、

豆を使って美味しいスープを作ることで、
メグばあさんの美味しい料理を作りたいという力の欲求が満たされる状態になります。


■win-winの関係性を日常生活に活かすには?

さて、ここまでご説明をした物語の中で、
二人のおばあさんがよい関係になれたのは、なぜでしょうか?

それは、「自分は何が好きか(何を望んでいるか?)」ということと、
「相手は何が好きか(何を望んでいるか?)」ということの2つが
明確に分かったからではないでしょうか?

それは、お互いの願望を把握するということです。
願望を具体的に言うと、欲求バランスと上質世界です。

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▼5つの基本的欲求と上質世界
https://www.choicetheory.jp/about/
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ではコミュニケーションでは、何を実践すればよいのかというと、
相手とのよい関係を築くために、
いくつかのステップに分けて考え、行動することをオススメします。


① 自分の願望を知る
まず第一歩は、自分のことをよく知ることから始まります。
何が好きなのか、何が嫌いなのか、何をしてもらうと喜ぶのか、
逆に、何をされると嫌な気分になるのか。

つまり、自分の正確な欲求バランスを知り、
その欲求を満たす上質世界には何があるのかを明確にすることです。


②自分の願望を表現する
明確化した願望を自分の中で留めておいても、
相手との関係の改善には活かせません。

「私はこんなものが好きで、こうしていきたいと思っているよ!」
「今は正直、○○と感じているから、こうしてもらえたら嬉しいな!」
と表明する必要があります。

もちろん一方的すぎてもいけないのですが、
「あなたはどう?」と聞かれたときに話せるように、
自分の願望をアウトプットすることにチャレンジしてみましょう。


③相手の願望を聞く
その次は、相手はどうだろう?と問うことです。
相手は何を望んでいて、どうしたいかを聞いてみましょう。

リアリティセラピーを学び、カウンセリングをトレーニングしてくことで、
この質問力を鍛えていくことが可能です。

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▼リアリティセラピーの概要
https://www.choicetheory.jp/words/#514
▼詳しく学ぶには
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自分をよく知り、表現し、相手の欲求もよく知り合う。
ここで初めて相手との良い関係を築ける土台が
出来上がっていくことでしょう。

人は、自分自身が望むもの(上質世界に関連すること)にしか興味を持ちません。
上質世界にないことをいくら必死に話そうとしても、
受け取ってもらうことは難しいです。

その認識のギャップの中に、やがて「遠慮」や「我慢」が生まれていくのです。
逆に言えば、相手の上質世界や欲求を満たす角度から、
お願い事をしたり、コミュニケーションをとったりすることで、
お互いに我慢の要らない良好な人間関係が出来ることでしょう。

ちょうど、
野菜づくりが好きなマグばあさんなら、
「野菜づくりをしてもらえますか?」というアプローチに、

料理が好きなメグばあさんなら、
「料理をしてもらえますか?」というアプローチに
興味を持ってもらえるように。

そうした、相手に合わせた適切なアプローチをするために、
まずはお互いの願望を理解することから始める必要があるのです。

ぜひこのステップを参考にしていただて、
周囲の方との良好な人間関係を築いてみてください。

 

【参考文献】
「まいごのまめのつる」
http://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=1326

「グラッサー博士の選択理論 – 幸せな人間関係を築くために」
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「リアリティ・セラピー理論と実践」
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【関連商品】
「5つの基本的欲求サーベイ」
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用語紹介

ディスコネクテッド

グラッサー博士は、温かい人間関係がない状態をディスコネクティッド(disconnected)と表現している。

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