「解決のサークルの内側で〜上司部下/マネジメント編〜」リアリティセラピー研究会報告

リアリティセラピー研究会「解決のサークルの内側で〜上司部下/マネジメント編〜」のページです。選択理論は結婚・恋愛、家庭、ビジネス、学校…あらゆる人間関係を良くするための心理学です。

解決のサークルの内側で〜上司部下/マネジメント編〜

東京中央支部
リアリティセラピー研究会

■  身近にはびこる外的コントロール

選択理論を学ぶと、上司と部下の関係において、

外的コントロールを用いるシーンが

以外にも多いことに気がつくのではないでしょうか。

 

「部下が期日通りに仕事を終わらせず、報告もない」

「ミスをしたのにも関わらず、隠してしまい、発覚したときには大問題になっている」

「改善を促しているのだが、一向に行動が変わっていかない」

 

そんな状況で、部下を責めしまったり、批判したり、罰を与えたりと、

外的コントロールの典型的な行動をとってしまう上司も

周りを見渡してみると、きっといることでしょう。

 

選択理論を学んだ我々からすると、

どうしたら内発的動機づけで部下の行動改善を促せられるのかと、

解決案を探りたくなってしまうものです。

 

今回はそのような上司と部下でよく起こりがちな状況について、

テーマとして取り上げました。

 

 

■「選択理論的関わり」に潜む落とし穴

選択理論を学べば、上司である自分が、

「ガミガミ言う」といった致命的な習慣を用いる関わりは、

きっと部下にとって気持ちが良いものではないとわかるようになるでしょう。

 

そこで致命的な習慣を止めようと決心し、言葉遣いを意識しはじめます。

また、自己評価を促そうと、部下には次のように言うかもしれません。

 

あなた「あなたの今の行動どう思う?」

部下「問題でしたか?」

あなた「自分ではどう思う?もう一度よく考えてみて。それはわが社の方針と合っている?」

部下「いや‥。良くなかったと思います。」

あなた「そうだよね。じゃこれからどうすべき?」

部下「…」

 

一見すると確かに自己評価を促していますし、

致命的な習慣の言葉も用いていません。

 

しかし部下から見ると、上司にとっての理想の仕事に合わせて

自己評価を強制されているように感じる可能性があります。

 

この場合、上司の中に、選択理論(的な言葉)を用いて

自分の望む状況に合わせて相手を変えようとする外的コントロールの考えが

意識のどこかにあるのではないでしょうか。

 

自己評価させる

相手を幸せにする

行動変容をさせる

 

一見、どの言葉も選択理論的に見えますが、

実際は相手を変えようという外的コントロールなのです。

 

上司は自己評価をするための情報提供をするというお手伝いはできますが、

変わるどうかを決めるのは部下自身です。

 

では、どのようにして、外的コントロールを使わずに、

問題解決をしていけばいいのでしょうか。

 

 

■対処療法ではなく事前対応で選択理論を活用する

グラッサー博士が伝えていることを再度学んでみると、

温かな人間関係の構築とシステムの改善に選択理論を活用することが

大切だと主張していることがわかります。

 

例えば、システムの構築から問題解決をした例としては、

「問題が怒ってから後ろめたくなってしまい報告が出来ない」という状況を作らないために、

事前に仕事の進め方を綿密にレクチャーする勉強会を行うなど、

起こりうる問題について考える機会を設けるといった対応があります。

そうすることで、不必要な衝突を避けることができ、

人間関係が良好に保てることが想像つくでしょう。

 

また、組織の行動規範に反する社員がいた際に、

社員全員でどういう行動が規範的かを出し合い、

新たに倫理網領を作成するということも良いかもしれません。

 

問題行動に特化し、個人の自己評価を促していくのではなく、

どういう行動が規範的なのかを考えるような機会を提供することは

選択理論が提唱するアイディアのひとつです。

 

実際に、選択理論が対処療法的に世間に広まってしまったときに、

規律違反に注目するのではなく、人間関係の改善とシステムの改善に

焦点を当てることが何より重要と強調をしてグラッサー博士はメッセージしています。

グラッサー博士の伝記にこのあたりが詳しく書いてありますので、

今一度じっくりと読んでみるのもいいかもしれません。

 

 

何れにせよ、より良い人間関係の追求にこれぞという解決法があるわけではありません。

部下一人ひとりとの良好な関係を普段から少しずつ積み上げていく必要があります。

 

そして、選択理論を応用したマネジメントを体得する際には、

「どう行動するのか?」という視点で学ぶこともさることながら、

「相手は変えられない」という根底にある考え方に、

改めて着目して見てみると、また違う気付きを得られることでしょう。

 

上司も部下も変えることができるのは自分自身のみ。

自らが行動しようと思える環境とはどうやったら作れるのか?

このテーマを、忍耐力を持って一緒に考えてみると良いかもしれませんね。

 

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【参考文献】

「グラッサー博士の選択理論 – 幸せな人間関係を築くために」

http://shop.achievement.co.jp/products/detail.php?product_id=92

「ウイリアム・グラッサー~選択理論への歩み~」

https://shop.achievement.co.jp/products/detail.php?product_id=474

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用語紹介

知覚された世界

知覚された世界とは、知識のフィルターと価値のフィルターを通して、私たちが現実世界を解釈したものである。
私たちが「現実世界」を話す時、それはすべてそれぞれの「知覚された世界」を話しているに過ぎない。

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