ロン・カールトン氏 特別ページ 選択理論普及の第一人者に聞く 選択理論を学ぶ意義と価値

成果を創造する 職場の人間関係の築き方

7つの身につけたい習慣

ロン・カールトン氏

ここでのポイントは、RWDEPメソッドでは信頼関係が前提条件となっているということです。先ほどもお伝えした通り、フラストレーションが生じた際についつい用いてしまうのが、「批判する」「脅す」などの“7つの致命的習慣”です。これらは人間関係を断絶させることにつながるものです。もちろん、ビジネスの現場では感情を切り離して仕事をしていくこともできますが、悪い人間関係の中で最高のパフォーマンスを発揮することはありえません。

これに対し、良好な人間関係を築いていくために選択理論の中で教えているのが、「傾聴する」「支援する」などの“7つの身につけたい習慣”です。例えば、なにかミスを犯してしまった時も、頭ごなしに「何やってるんだ!」と責めるのではなく、「どうしてミスをしてしまったのか」「どうしたら再発を防げるか」と傾聴していくようにするのです。常に相手の言葉を引き出すようにすることで、相手の“上質世界”が分かるようにもなりますし、良好な人間関係を築いていくことができます。

“RWDEPメソッド”は全ての人間関係に適応できるものであり、営業現場でも顧客との関係性構築における有効性が知られています。このフレームを意識することで、衝突の少ないよい人間関係のもとに、目標達成に向けて方向修正・改善を重ねていくができるようになります。

衝突のないところに成長はない

さて、これまでビジネス現場で良好な人間関係を形成するための選択理論の活用法についてご説明してきました。
最後に、矛盾しているように聞こえてしまうかもしれませんが、あることをお伝えしたいと思います。 それは、人間関係における衝突に対する捉え方についてで、衝突することは「悪」ではなく、むしろ組織が進化・成長していくためには必要なもので、逆に言えば衝突のないところに成長はありません。 

冒頭でもご説明した通り、人はみな違う願望を持っているのでどんな状況であっても、それが長く連れ添ったカップルだったとしても、違いからくる衝突は生じます。その時に、その衝突をネガティブに捉えるのではなく、互いに創造性を発揮していき、問題解決する成長の機会だと捉えていただきたいと思います。

本日お伝えした“RWDEPメソッド”を用いて、メンバーの“上質世界”に何があるのかとともに、自分の“上質世界”に何があるのかを把握することで、良好な人間関係のもとに改善を重ね、成果を出せる組織を築いていただけたら幸いです。皆さんのビジネス現場で選択理論がその効果性を発揮することを祈っております。

ロン・カールトン Rhon Carleton
ウイリアム・グラッサー・インスティテュートのシニアメンバーであり、現在は、アラバマ州モンゴメリーのフライザー・ユナイテッド・メソジスト教会にて、牧師として仕えている。 学位については、デューク大学神学校牧会学修士課程修了、 米国アラバマ州立トロイ大学大学院カウンセリング学専攻修士課程修了等。 日本リアリティセラピー協会の共同設立に携わり、韓国、シンガポール、アメリカ等で選択理論の 普及に尽力している。
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